夏の甲子園が始まりました。

プロ野球選手と高校球児の守備を比べると、プロ野球選手の守備範囲の広さ、カットプレーを含めた捕球から送球までの速さ・正確性に驚きます。

いずれも、基礎トレーニングの反復が重要となりますが、今回は「守備範囲」を広くするためにはどうすれば良いのかをまとめていきます。

守備範囲が広い選手と言うと、代表的なのが元ロッテの遊撃手・小坂選手や広島の菊池選手、西武の源田選手です。外野手ならば、同じく元ロッテの岡田選手や西武の秋山選手でしょうか。

守備範囲を広くするためにはどうしたら良いのでしょうか。

足が速いことも重要ですが、トレーニングとしては、反復横跳びやラダーなどでアジリティ(敏捷性)を高めていく必要があります。ラダーなどは普段から行っているチームも多いと思いますが、しっかりと目的意識を持って行いましょう。

次に、ノックです。と言っても、ただノックを受けるのではなく、必ずセットアップという動作を行い、打球方向に対する一歩目を素早く動き出すことが重要となります。これは、意識をすればすぐにできます。
サッカーのPKでゴールキーパーがジャンプしているシーンや、テニス選手が足をバタバタ動かしてボールを待っているシーンを見たことがあるでしょう。これがセットアップです。
人間は、止まっている状態から動き出す(静から動)よりも、動いている状態から動く(動から動)ほうが得意なのです。
野球の守備でも、動から動でボールに反応すれば、一歩目を素早く切ることができます(ランナーもこれができればよいのですが、牽制があるので難しい)。

中学・高校野球を見ていると、守備範囲が広い選手は、ファールなどに対しても、バットに当たった瞬間に素早く反応していますが、守備範囲が狭い選手は、打球が飛んできてから「ビクッ」となって反応します。

プロ野球選手はどうでしょうか。先日、プロ野球の試合を観に行った際に、セットアップに着目して動画を撮ってきました。

後藤駿太選手セットアップ


安達了一選手セットアップ


西野真弘選手セットアップ


脱力して構え、投手が投げるのに合わせて軽くジャンプし、フェア・ファールに限らず打球に対して素早く一歩目が動き出しています。安達選手と後藤選手は、現球界でもトップクラスの守備力を持つ選手ですから、内野・外野の動きとして参考になると思います。

普段のノックから、このセットアップを選手に意識させ、一歩目を素早く切らせます。また、試合でも、全員がしっかりとセットアップをして一歩目が切れているか確認しましょう。

セットアップを行い、打球に対する一歩目が切れていれば、それだけで守備範囲は大きく広がります。