久々に学校部活動の話をしたいと思います。

近年、私立学校を中心に、教員が残業代を求める動きが強まってきています。
その背景には、「給特法」と呼ばれる、教員の残業代に関する法律があります。

ただ働きを「献身的」と美化する学校現場 諸悪の根源「給特法」に内田良さんが迫る
https://www.bengo4.com/c_5/n_8050/

これは約50年前に制度化されたもので、現在の教員の過剰労働に見合ったものではありません。
しかも、これはあくまで公立学校の制度ですから、私立学校には適用されないのですが、私立学校も同じような契約をしていることがほとんどです。私立学校は企業と同じですから、これは完全に違法なのですが・・・。

では、なぜこのようなめちゃくちゃな制度が未だにあるのかというと、それは簡単に言うと教員の残業代を支払う財源がないからです。

教員の残業代を正規に支払うとなった場合、それは全国で1兆円に上るといわれています。恐らくこれは公立だけなので、私立も合わせたら、日本の教員の残業代は恐ろしいほどの額になると思われます。

教員の残業には、主に以下のようなものがあります。
・生徒指導
・テスト作成、採点
・書類作成
・会議
・授業準備
・補習や講習
・部活動

給特法が想定しているのは、1カ月8時間程度の残業です。どう考えても、昨今の学校事情を考えれば、これらの残業が1カ月8時間程度で終わるわけがありません。

しかし、残業代を支払う財源はありません。
つまり、学校運営の現状は、教員のタダ働きを前提にして行われているということです。

「会社を経営するお金がないから、社員にタダで働いてもらおう」
普通ではありませんよね。ただそれが、「教員だから」「生徒のために」という理屈で当たり前になっているのが現在の日本の学校なのです。

では、先にあげた教員の残業内容で、削ることができるものはどれでしょうか。
まず、会議の時間を短くすることはできるでしょう。しかし、その他の業務は削ることができません。それらを削ってしまっては、学校の最も重要な教育的側面が低下するからです。
日々ギリギリのところで耐えている教員が非常に多くいますが、何か不測の事態(例えば、生徒が問題を起こしたなど)が起これば、一気にパンクしてしまいます。

近年の教員の精神疾患による休職者の数は、人為的に引き起こされているとも言えます。
公立教職員、精神疾患で5,077人休職…文科省調査
https://resemom.jp/article/2018/12/26/48348.html

残業を減らすとなった場合、やはり最も残業時間が多くなる部活動を学校から切り離すことは、今後必須になってくるでしょう。

次回は、もう少し学校と部活動の現状について深く掘り下げていきます。