選手たちの口からもちょくちょく聞こえるようになってきた「フライボール革命」。

データを基にした科学的ベースボールが著しく発展しているメジャーリーグで、近年理論化された打球です。
メジャーリーグでは「スタットキャスト」と呼ばれる装置が導入され、データ分析が盛んになっています。
フライボール革命について簡単に説明すると、「バレルゾーン」と呼ばれる特定の角度に、最低158km/h以上の打球速度で飛ばすと、長打やホームランになりやすい、というもので、膨大な打球分析などによってはじき出されたものです。
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https://mainichi.jp/articles/20190222/ddm/035/050/060000c

ただ、私はやはり選手たちには「センターを中心にライナーを飛ばすことを意識しなさい」と言っています。
それにはいくつか理由があります。

①フライボール革命が生まれた理由
メジャーリーグは膨大なデータによって、打者の打球傾向などが全て分析されています。その結果、極端な守備シフトが敷かれます。日本では今年、オリックスの吉田選手に対するシフトが話題になりましたが、あれが当たり前になっているのがメジャーリーグです。
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https://www.sanspo.com/baseball/news/20190409/npb19040910000002-n1.html

そうなると、内野の間を抜ける打球は打ちにくくなります。「なら、上を越せばいいじゃないか」ということで、フライボール革命が生まれる背景となります。
メジャーリーグで打率よりもOPS(出塁率+長打率)が重視されているのも、シングルヒットが難しいからでしょう。なお、極端な守備シフトは野球を大雑把にしてしまうという批判も出てきています。
さて、日本ではこのような極端な守備シフトはあまり敷かれません。高校野球などではなおさらです。これを考えたとき、わざわざ相手の頭を越そうと長打を狙いすぎる必要性は低いと思います。